5月31日 卒論指導レジュメ

国際社会4年 瀧 純代

広域連携物流特区について

 

     前回出た質問への回答

北関東自動車道は現在、群馬県が伊勢崎ICまで、栃木県が宇都宮上三川ICまで、そして茨城県が友部ICまで建設を終えている。まだ開通していないのは、群馬県の藪塚ICと太田IC、栃木県の足利IC,田沼IC,岩舟ICそして真岡IC、茨城県の岩瀬ICと笠間ICである。形成16年2月現在の群馬県内における用地買収率は約99%で、さらに工事発注率は約4割となっている。栃木県の場合、平成15年12月現在で群馬県境〜岩舟JCTまでの用地買収率は約31%で、宇都宮上三川IC〜茨城県境の買収率は99.9%である。平成16年2月現在での茨城県内における用地買収率は9割を超え、さらに平成16年3月末の工事発注率は7割を超えると見込まれている(た)[1]。建設する区間が一番長いためでもあるだろうが、栃木県の作業が一番遅れているようである。

関越自動車道は、練馬ICから埼玉県・群馬県を通って新潟県の長岡JCTまで続く高速道路である[2]。途中、大泉ICで東京外環自動車道と、鶴ヶ島JCTで首都圏中央連絡自動車道と、藤岡JCTで上信越自動車道と、高崎JCTで北関東自動車道と、そして終点の長岡JCTで北陸自動車道と連絡している。

コリドール構想には2つあり、1つは「東京湾文化コリドール構想」のことで、『本来われわれはどのような生活をしたいのかという理想に基づいて都市を見つめなおすことにより、東京湾のボイド(大空間)を中心とした地域に魅力ある都市集積を育成・連携させ、魅力ある地域演出を図るための提案である』[3]。東京湾という名前がついているだけあって、これは神奈川県、東京都、千葉県を中心とした構想である。

もう1つは「つくばスマートコリドール構想」のことで、『東京の秋葉原と筑波研究学園都市を結ぶつくばエクスプレスの建設に合わせて開発が進められている沿線開発地区や筑波研究学園都市等の茨城県南部の帯状の地域において、ITの戦略的活用によって、地域の付加価値を高め、人口の集積や企業の立地に資することを大きなねらいとしてい』[4]る。つくば市を通る常磐道は友部JCTと交差するため、この構想が本格的に着手されれば、今回の研究テーマである「広域連携物流特区」とも決して関係ないものとは言えないだろう。

 

     広域連携物流特区内において適用される規制の特例措置

保税蔵置場設置基準の弾力化 … 管轄の税関[5]から25キロ以内⇒100キロ以内

 この規制が緩和されたことにより、『出張所から42キロ離れている物流サービスのユーユーワールド岩舟保税蔵置場が、昨年12月に輸入貨物を蔵置する業務を承認されたことに加え、今年の4月2日からは輸入品も保管できるようになった。これにより、これまで横浜港や東京港まで出掛けて検品をしていた荷主の手間は省かれ、時間的にもコスト的にも余裕ができてくる。現在、県内で輸出入品の通関手続きができるのは、横浜税関宇都宮出張所のほか、税関が許可した蔵置場28ヵ所。』[6]

 ・自動車の回送運行時における仮ナンバー表示の柔軟化

 →仮ナンバーを申請するには…(千葉県市川市の場合)

申請する場所−市役所本庁者2階交通計画課、行徳支所2階総務課、大柏出張所

申請者−車両取扱業者および個人

持参するもの−@自動車臨時運行許可(仮ナンバー)申請書 A自動車検査証 B自賠責保険証 C現住所及び身分を確認できるもの D印鑑

許可手数料−750円(車両一台につき)

 今回は市川市の場合を参考にしたが、ここからも分かるように、非常に面倒な作業である。そこで、特区認定により規制が緩和され、仮ナンバーの申請・表示が容易になれば、(常陸那珂港を利用する)ニーズの増加が見込まれる。

 



[1]日本道路公団「北関東自動車道」http://www.kitakantodo.net/gaiyou/gunma.html

 http://www.kitakantodo.net/gaiyou/tochigi.html

 http://www.kitakantodo.net/gaiyou/ibaraki.html

[2]関越自動車道マップ http://www.j-sapa.or.jp/sapa/image/rosen_kanetsu.gif

[3] 東京湾文化コリドール構想 http://www.nla.go.jp/daisei/970926.htmlより一部抜粋

[4] つくばスマートコリドール構想推進協議会HP http://www.nla.go.jp/daisei/970926.htmlより一部抜粋

[5] 栃木県の場合は、横浜税関宇都宮出張所

[6] 4月2日付下野新聞第一面を参考